メカジョイント式ロッドレスシリンダ【MY2】の壁掛け評価選定計算式

2019年3月17日




 

今日は「メカジョイント式ロッドレスシリンダ【MY2】の壁掛け評価選定計算式」についてのメモです。

 

メカジョイント式ロッドレスシリンダMY2の特徴は、高さを抑えられた薄形なので、あらゆるところで需要があると思っています。しかし、カタログを見ると評価の方法が少し大変です。壁掛け限定ではありますが、今日は壁掛け利用の評価計算シートを作成したのでシェアしたいと思います。

SMCのMY2シリーズ

MY2の壁掛け使用

ここでは計算シートの前にMY2シリーズを壁掛けで使用する上での注意点(主に設計に関する部分)をまとめておきます。

 

SMCから提供されているMY2シリーズの基本的な注意点

選定について
  • 許容モーメントの50%を加えたときのストローク端の精度(変位量)をが±0.05mm程度
     → カムフォロアガイド形のMY2Cを選択

 

  • 許容モーメントの50%を加えたときのストローク端の精度(変位量)をが±0.05mm以下
     → リニアガイド形のMY2H/HTを選択

 

平行度について
  • メカジョイント式ロッドレスシリンダは走り平行度を保障していない

 

シリンダ推力に対する負荷率
  • シリンダ出力に対して負荷が高負荷率の場合、シリンダに悪影響(結露等)を与え作動不良が発生することがある。そのため負荷率はシリンダ出力に対して負荷を0.5以下になるようにシリンダを選定する必要がある。

 

中間停止について
  • 独自シール構造により微少な外部漏れがある。そのため中間停止は両側加圧制御回路にする必要がある。

 

その他
  • 最大許容モーメントはグラフの使用限界範囲内でも最大負荷質量の値を超える場合がある。
  • 最大負荷質量はグラフの使用限界範囲内でも最大許容モーメント値を超える場合がある。
  • ワーク形状により複数のモーメントが発生する場合があるので、負荷率の総和はそれら全ての合計とする。

 

私から提供するMY2シリーズの基本的な注意点

SMC様のロッドレスシリンダMY2シリーズを利用する上で、強度以外にもガタやねじれを考慮する必要があります。SMC様の提供してくれている注意点と重複しますが、例えば壁掛け(天井吊り)による取り付けでは、ストロークの長いものは本体の取り付けを両サイドの4箇所の穴(下記画像青の部分)だけですとたわみが出てしまいますので、赤部のT溝やサイドサポートを利用し、取付け面がぴたりと取り付くようにしてください。

また、MY2HT以外はガタの発生も装置精度に影響するのでガタの考慮も忘れないようにお願いいたします。

 

計算ファイルのダウンロード

下記より計算ファイルをダウンロードしご利用ください。注意点といたしまして、本ファイルはシリンダの平均速度300mm/sで設計する場合の計算シートになっています。(確認計算はカタログ1378,1379ページで行っております)

 

評価は負荷の総和(Σα)が1以下で使用可となります。

 

※シリンダの平均速度300mm/s以上では、シリンダの許容される負荷・モーメントが低下することからこの計算シートより条件が悪くなります。逆に300mm/s以下で利用の場合はこの確認シートより条件が悪くなることはありません。詳しくはカタログを参照してください。また、オプションのショックアブソーバの評価も行うシートにはなっておりませんのでご理解お願いいたします。

 

※MY2シリーズに利用される標準仕様のショックアブソーバはRBシリーズです。本サイトではショックアブソーバの評価計算シートを別途提供しているのでそちらもご確認ください。(壁掛け評価の場合は、ショックアブソーバ選定計算書_負荷シリンダ水平になります)

 

 

一覧ページ
エアシリンダの無接点スイッチの動作範囲は数ミリで、応差は1~1.5ミリ以下_1
エアシリンダ/スピコン/電磁弁

エアシリンダ 推力 エアシリンダの【推力一覧表】と【推力の計算式】     製品別の計算 エアスライドテーブル【MXQ】シリーズの評価選定計算 マグネット式ロッドレスシリンダ【CY ...

続きを見る

 

以上です。