減速機を使わない場合のモーター(単体の)トルク計算

2017年1月7日




今日は「減速機を使わない場合のモーター(単体の)トルク計算」についてのメモです。

 

基本計算式及び計算エクセルをダウンロードできますのでどうぞご利用ください。

モーターのトルク計算

それでは、モーターのトルク計算を行うための必要な項目と計算式を下記にまとめたいと思います。

 

 

モーターのトルクを計算するために必要な項目

モーターのトルクを計算するのに必要な項目は以下のようになります。

 

  • E:負荷慣性モーメント(kg・m^2) ※モーターより先で回転される物自体の慣性モーメント(イナーシャ)
  • D:モーターロータ慣性モーメント(kg・m^2) ※カタログに記載されている個別の値
  • N:加速回転速度差(rpm)
  • Q:減速回転速度差(rpm)
  • G:加速時間(s)
  • B:減速時間(s)
  • P:加速時外部負荷(N・m)
  • U:安全率

※実効トルクは運転状況により変動しますので含みません

 

 

角速度の計算式

まず、角速度の計算をします。計算式は以下の通りです。

ω角速度[rad/s]=(N/9.55)

 

 

角加速度の計算式

次に角加速度の計算をします。

α角速度[rad/s^2]=ω/G

 

補足①

加速時間をどう設定したらよいかは 運転パターン(行き・帰り) もしくは 運転パターン(回転角度) を決めて想定算出するのが良いと思います。 参考は 距離が見えるようになっていますが その時間はモーターにとっても同じ時間となるので。

 

 

回転速度差まで加速するときのモーターに必要なトルク

回転速度差まで加速するときのモーターに必要なトルクは以下の計算式で求めることができます。

トルクT1[N・m]=((E+D)/9.55)*(N/G)

 

 

外部負荷及び安全率を含めた加速に必要なトルク

外部負荷及び安全率を含めた加速に必要なトルクは以下の計算式で求めることができます。

トルクT2[N・m]=(P+T1)*U

 

補足②

P加速時外部負荷は、外部から加わる力が大きい場合、その力を別途トルク(N・m)に変換して入力します。

 

 

等速時に必要なトルク

等速時に必要なトルクは以下の計算式で求めることができます。

トルクT3[N・m]=(E+D)*ω

 

補足③

Eの負荷慣性モーメントはCADなどで出力しても良いですし、手計算でざっくり計算したい方は 直線運動の慣性モーメント または 回転体の慣性モーメント を参考にしてください。

 

補足④

Dモーターロータ慣性モーメントは使用予定もモーターカタログに記載されている個別の値ですが、モーターが決まっていない場合は類似のモーターの値でも良いです。

 

 

外部負荷及び安全率を含めた一定速に必要なトルク

外部負荷及び安全率を含めた一定速に必要なトルクは以下の計算式で求めることができます。

トルクT4[N・m]=(P+T3)*U

 

 

回転速度差まで減速するときのモーターに必要なトルク

回転速度差まで減速するときのモーターに必要なトルクは以下の計算式で求めることができます。

トルクT5[N・m]=((E+D)*Q)/(9.55*B)

 

補足⑤

加速及び減速の回転速度差は、0-2000の場合=2000、1000-2000の場合=1000と入力してください

 

 

外部負荷負荷及び安全率を含めた減速に必要なトルク

外部負荷負荷及び安全率を含めた減速に必要なトルクは以下の計算式で求めることができます。

トルクT6[N・m]=(T5-P)*U

 

 

減速機を使わない場合のモーター(単体の)トルクの基本計算書のダウンロード

上記のモータートルク計算式をまとめたエクセルを下記でダウンロードできます。どうぞご利用ください。

 

 

以上です。

 

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